【投資のバイブル】「ウォール街のランダムウォーカー」の感想

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ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版)

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こんにちは

配当おじさんです。

「ウォール街のランダムウォーカー」を読了したのでその感想を述べます。

昨今SNSやインフルエンサーが

  •  インデックスファンドを!
  •  ドルコスト平均法で
  •  長期的に積み立てる

これが王道で、初心者にはおすすめ!

こういう話をよく聞きますよね?

ただし、分かりやすさ重視のため、「なぜ」という部分を簡略化していることも多いです。

(そうしないと某通信会社のように「※」だらけになって分かりづらくなりますからね。)

なので、この「なぜ」という部分、

つまり根拠や考え方をもっと深いところで理解したいと思い、読み始めました。

もちろん、実際の投資では教科書通りというわけにはいきません。

しかし、投資の歴史やデータを知ることで、自身の判断力を高めることができます。

たとえば、投資の標準的なリターンを知ることで、
「年利20%!」のような投資に手を出さなくなります。

・周りがやっているから

・あの人が言っているから

このような理由ではなく、自分なりに考えることが必要ですね。


結論「この本から学んだこと」

結論から言うと、この本から学んだことは

  •  インデックスファンドを!
  •  ドルコスト平均法で
  •  長期的に積み立てる

変わってないやないかーい!!

…このようなツッコミが飛んできそうですが、読む前と特に変わりませんでした。

しかし、そう思える「根拠」を改めて学ぶことができました。

結論だけなら簡潔に済みます。ただ、それだけでは、「どんな状況でも実行し続ける信念」を培うことはできません。

そういう意味では、この長い571ページを読む意味があったのかなと思います。

  •  過去にどういったバブルがあったのか
  •  ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析は有効なのか
  •  有効な投資アプローチについて

このような内容をデータに基づいて理論的に、時にはユーモアを交えながら、学ぶことができます。

過去のバブルについて

過去にも投資バブルは多くありました。

  •  オランダのチューリップ・バブル
  •  イギリスの南泡沫会社バブル
  •  アメリカのブルーチップバブル

一つだけ紹介すると「チューリップ・バブル」とは、

その名のとおり、チューリップの球根が高値で取引されるようになったことが発端です。

  1.  チューリップがある病気になると、色鮮やかな模様になる
  2.  収集熱が広がり、花びらの模様が珍しいほど値段が高くなる
  3.  値段が20倍以上になったところで下落し、通常の値段になってしまった

周りがやっているから!
実際に成功している人がいるから!

こういった声が広がり始めた時は怖いですね。

現在でいうと、「暗号資産」にも気をつけたいです。

私自身、「遊び」で少額持っていますが、いつこうなるか分からないため、あくまでも触る程度で投資のメインにはできないと思っています。

※ あくまでも個人の感想です。私自身の勉強不足なので、おススメの書籍等あれば教えてください

ファンダメンタル分析、テクニカル分析について

筆者はファンダメンタル分析もテクニカル分析も市場平均を上回るリターンを上げられないとしています。

これは「株価がランダムに変動してきた」歴史を根拠にしてます。

今更ながら、ランダムウォークとは「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能である」ということを意味しています。

人間は秩序を好みます。
したがって「ランダムさ」という概念を認めることは難しく、ランダムな事象の中からパターンを探そうと努めます。

例えば、過去には『スカート丈指標』というのがありました。

  •  短いスカートが流行する時は相場は強気
  •  長いスカートが流行する時は相場は弱気

また、S&P500指数と最も相関との高い事象は「バングラデシュにおけるバターの生産量」と言われています。

当然、S&P500がバングラデッシュのバターの生産量によって決まりません。

ただ、事象の中から結果として説得力のあるものになります。

こういったものは、ネタとして楽しむ分に楽しそうですよね。

しかし、これらについて「バカバカしい」と笑っている人でも、次の二つについて参考にしている人は多いのではないでしょうか。(私も参考にしてます…)

  •  暴落レシオが市場全体のピークを予見する先行指標になる
  •  空売りの増大は強気のシグナルである

これらは研究の結果「関連はない」とされています。

仮に、ある規則性を見つけた場合でも次の理由で規則性がなくなってしまいます。

  •  他の人に知られれば、みんな真似する
  •  自分の分け前が減る
  •  他の人と分かち合おうとする動機がない

つまり、「知られている」ということは「規則性がなくなること」を意味します。

故に、株価はランダムであることを繰り返し説明しています。

有効な3つの投資アプローチ

結局どのようにアプローチすべきなの?

著者は次の3つのアプローチを示しています。

思考停止型(インデックスファンドを買う)

コストの低い広く分散されたインデックスファンドに投資する。

これだけです。インデックスファンドのアクティブファンドに対する勝率は70~80%と言われています。

したがって、インデックスファンドだけでも長期的にはほとんどのプロを上回る成績を上げることができます。

これは運用手数料、売買コストが圧倒的に低いことが大きな要因です。

投資家には「株価」や「税金」等、どうしようもないことが多いです。

だからこそ、「コスト」や「税金」等コントロールできるものはコントロールすべきです。

税金についてはNISAやiDeCo等を活用して、賢く資産形成したいですね。

ただし、インデックスであれば何でもよいというわけではありません。

日本において1990年から2009年どこの時点でインデックスファンドを買っても報われることはありませんでした…

手作り型(有望銘柄を自分で探す)

著者はどんな投資家であってもポートフォリオの一部はインデックス投資すべきだと言っています。

一方で、資産全体をインデックスファンドで運用すると「退屈すぎるアプローチ」であることも理解できるとしてます。

そういった人には次のルールを示しています。

  1.  少なくとも5年間は、EPSが平均を上回る成長を期待できる銘柄を購入すること
  2.  企業のファンダメンタル価値が正当化できる以上の値段を払って株式を買ってはならない
  3.  近い将来、「砂上の桜閣」作りが始まる土台となるような、確固たる成長見通しのある銘柄を購入すると良い
  4.  なるべく売買の頻度を減らすべし

ポートフォリオの中心部はインデックスファンドで運用し、残りを個別銘柄にかけるという混合スタイルを勧めています。

所謂「コアサテライト戦略」ですね

人に任せるタイプの歩き方(専門家を雇う)

3つ目はプロの投資マネジャーを選ぶ方法です。

旧版では優れたプロの投資信託を選ぶ方法を示していました。

しかし、優れたプロがほとんどが引退したことや、長期間では市場平均を上回ることがなかったことから、これをやめています。

過去の成績がどんなによくとも、決してあてにならないことが改めて分かります。

まとめ

本書の結論は「インデックスファンドを買いなさい」ということです。

その結論に行きつくまでのアプローチを歴史やデータから学ぶことができます。

株価の動きに一喜一憂せず、ぶれずに続ける信念を培うことができます。

インデックス投資以外にも活用できる内容ですので、

既にインデックス投資をしている方にも、していない方にもおススメです。

なお、本記事以外にも下記について学ぶことができます。

  •  取崩しの「4%ルール」
  •  分散投資の大切さ
  •  ドルコスト平均法が万能ではないこと
  •  財産の健康管理のための10箇条
  •  リスク許容度とリスク選好について

投資家の皆さん、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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お読みいただきありがとうございました。